日経新聞朝刊2026年4月19日の社会面の特集「揺れた天秤」に、
「関連会社に出向中だった50代の男性は、取締役まで務めた経験を生かせない単純業務に不満を募らせていた。3年間の期間が終わる間際、本社から定年退職までの出向延長を告げられた。
年俸は維持されるというが、このまま畑違いの職場への「片道切符」を受け入れなければならないのか。
2023年5月、出向期限を1カ月後に控えた男性は、出向元の会社から音沙汰がないことにしびれを切らした。「私から要望するのもいかがかと思いますが、話し合いの場を設定していただきたい」。人事担当者にメールを送ると、ようやく1週間ほど後に面談の機会が設けられた。
本社の人事担当者はその場で「辞令」と記された紙を示した。出向をさらに3年間延長し、定年退職日までとする内容だった。二度と本社に戻れない事実上の片道切符。男性はとっさに写真だけ撮り、受け取りを拒否した。
男性は大学卒業後に売上高500億円規模の流通企業に入り、主に営業畑で経験を積んだ。取締役や関連会社の社長に上り詰め、一時は非正規を含めて2000人超のスタッフを率いた。
出世街道を歩んできたはずだったのに、53歳で現在の関連会社に出向した後は部下ゼロの名ばかり管理職だった。パート従業員から引き継いだという業務はデータ入力といった事務作業ばかり。3年間の出向期間中に面談や人事評価は一度も行われなかった。
「裏切られた」。これまでに得た知識や能力、経験と無関係な業務を続ける必要性はないとして23年、期間延長の出向命令が無効であることの確認を求めて会社を提訴した。
会社側が訴訟で蒸し返したのは7年以上前の男性の言動だった。男性は17年に女性従業員に不適切な性的発言をしたことと18年に顧客とのキャバクラ代を経費精算したことが問題視され左遷された。」
とありました。男性は57歳で、年俸が維持されても出向先での単純作業は嫌だという話ですね。
過去の栄光が忘れられないのかもしれませんが、訴訟しても会社が本人が納得するようなポストを再び与えることは無さそうです。それでも訴訟するのですから、ものすごい組織への執着心です。
ここまでではないにせよ、私もサラリーマン時代、今回のケースに似た人が近くに何人かいました。彼らの共通するのは「俺は悪くない」と本心から思い込んでることです。他責思考ですね。
出向先で時間を浪費するくらいならFIREすれば良いのにと私なんかはすぐに思うのですが、「俺は悪くない」タイプは資産形成も結構悲惨だったりします。一時的でも損に耐えられないようです。
私はFIREの適性は「自由を愛せるかどうか」だと思っているのですが、この「俺は悪くない」(なぜかほぼ男性。女性は少ない)タイプは、「自由を愛せない人」なのかもしれませんね・・・
