日経新聞朝刊2025年7月28日の「溶かせ氷河期世代」という記事に、
「「正社員として働けているだけで恵まれているのかもしれない。だが、様々な社会のしわ寄せを受けてきたと感じる」と検査会社で営業として働く今西太一さん(48歳、仮名)は嘆く。大学卒業後、バイトやメーカー勤務などを経て6社目の職場という。
新卒で就職できた飲食大手はブラック職場だった。70人ほどの同期は1年で半減し大半はいま何をしているのか不明だ。自身も月160時間超の残業に心身が悲鳴をあげ1年半ほどで退社した。
最近は体力の衰えを感じ、いまの営業職を続けられるのか不安がある。「投資で資産を蓄えて早期リタイアする人がいると聞くが、別世界のようだ」と遠くを見る。」
とありました。仮名での記事なので、どこまで内容が本当かは分かりませんが、氷河期世代の一部の人にとってはFIREは別世界の話なんですかね・・・
私も氷河期世代なので、思い返すと最初の分かれ道は「新卒での就職先」でした。私も最初に内定をもらった会社が、当時店頭市場に上場していた急成長中のベンチャー企業だったのですが、なんと数年後に倒産・上場廃止してしまいました。もちろん大学生にそんなこと見抜けるわけもなく、もしその会社に就職していたらだいぶ違う人生だったかもしれません。
同級生でも新卒でブラック企業に就職してしまった場合、その後苦しい社会人生活を送っていたように思います。新卒でどこに就職するかは、氷河期世代にはとても大きな影響力がありました。
また、投資環境も今と比べると劣悪でした。やっとネット証券が普及し始めたのは良かったのですが、現在の「オルカン」に近い投資信託の信託報酬はなんと2%近い暴利でした。また「NISA」などの税制優遇もありませんでした。確かに氷河期世代の過去は厳しいものだったのでしょう。
そういう意味では、オルカンもNISAもある今の若い世代は投資環境にとても恵まれていると思います。就職活動も売り手市場なわけですから、それらをうまく活用できれば、将来的なFIREという選択肢もかなり現実的だと思います。良い時代に生まれましたね、羨ましい(苦笑)。
でも、実は足元でも氷河期世代には分かれ道があると私は思ってます。2024年から新NISAが始まってます。最短5年で1800万円の枠を埋めることができますが、オルカンなどの低コストインデックスファンドで早期に枠を埋めてBuy&Holdし続けた人とそうでない人は、高齢者として定義される65歳以降に大きな差がつく可能性が高いでしょうね。非課税複利のパワーは激烈なので・・・
結局、過去についてどこまで自己責任なのかの切り分けは難しいですが「今から何ができるか」という未来は誰にでもあるわけで、「FIREは別世界なので思考停止」ではあまりにもったいないなと私は思います。まだ決着はついてないと思いますよ、氷河期世代のみなさん。

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