「無用の効用」(ヌッチョ・オルディネ著・河出書房新社)という本を読みました。
『実用的には役に立たない「文学」や「芸術」はその無益さにこそ価値がある』という主張の本なのですが、その中でフランス作家テオフィル・ゴーチエの、
「真に美しいものは、なんの役にも立たないものだけである。役に立つものはすべて醜い。なんらかの欲求の現れだからだ。そして人間の生理的欲求は、貧相かつ脆弱な本性と同様に、不潔で嫌悪すべきものだ。一軒の家のなかで、なにより有用な場所は便所である。」
という一節を引用してました。なかなか「美」の本質を突いた一文ですね。
私にとって幸福な生活とは「人生を楽しむ」と「足るを知る」が両立した状態(記事はこちら)だと考えているのですが、FIRE後はそれらに加え「美意識を磨き続ける」という新たな状態を意識することが増えてます。
私はどちらかというと「鑑賞型の趣味」(記事はこちら)を好んでいるのですが、「美しいもの」「芸術」「ある種のエンタメ」などは、当然「美意識」や「感性」が磨かれれば磨かれるほどその作品の本質を堪能することが可能となります。今後も「美しいもの」にたくさん触れたいと思います。
そうして心から「感動」することが増えていけば、私にとっては「生活の質」を上げることに繋がるのではないだろうか、と最近よく考えてます。
もちろん単純に「人生を楽しむ」ことも大好きなのですが、より奥深く「美意識」を磨いて、「無用の効用」をたっぷり堪能することも、今後のFIRE生活において増やしてみたいですね・・・


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