日経ヴェリタス2024年7月28日号に三井住友DSアセットマネジメントの苦瓜達郎氏の「データセンターはバブル的状況」という記事が載ってました。
「半年前に本欄で書いたように、私はAIに関しては懐疑的です。この半年間で関連企業の株価は上がりましたが、私の考えは変わっていません。現在のAI関連製品市場の活況は、米国の巨大IT企業が、冷静なコスト計算によるのではなく、波に乗り遅れることへの恐怖感から、あり余る利益の一部を回しているだけだと考えています。
将来的に電力の消費構造を変えるほどAIが活用されるとすれば、それはきちんとした経済計算に基づいたものでなくてはなりません。電力代も確かに高額ですが、サーバーへの設備投資ははるかに大きなものとなるはずです。それに見合うだけの経済効果がAIから得られ続ける社会とは、一体どんなものなのでしょうか。私にはちょっと想像がつきません。」
「恐らく、現在進んでいるデータセンター建設計画の多くは、オフィスや商業施設、物流施設などに手詰まり感を感じている不動産開発業者が、成長の見込める最後の分野として飛びついているのだと思われます。
地方によっては建設費の半分まで補助金が出る例があり、このことも市場の過熱に拍車をかけていると考えられます。当面は関連企業も活況が予想されますが、2~3年後には計画の中止や見直しが相次ぐのではないでしょうか。」
私もAIやそれに伴うデータセンター投資に関しては、苦瓜氏と同じような認識なんですよね(苦瓜氏の文章ほど考え抜いてはないですが・・・)。
一方、AI関連投資の「計画の中止や見直し」タイミングは苦瓜氏が見ている2〜3年後よりだいぶ前になるのではないかと予測してます。様々なメディアを眺めていると、すでに一部の人々はAIがもたらす効用はその投資額ほど大したものではないと気づき始めているからです。
それが正しいとすれば、株価が先に動くでしょうから、今年中に大きな動きがあってもおかしくないのかな、とも思ってます。AIやデータセンター関連企業の今後の決算コメントに注目したいと思います。
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