日経新聞朝刊2026年4月30日に、
「1つの群れのチンパンジーが2つの集団に分かれ、かつての仲間を襲って殺害する「内戦」に陥った事例を、米テキサス大オースティン校などの国際チームが30年に及ぶ調査で確認した。
群れの権力構造の変化や、分断が進む集団間の架け橋だったメンバーの病死などを経て、対立が深刻化する過程を明らかにした。
人間に見られる集団暴力は民族や宗教といった文化の違いに根ざしているのか、人間関係が不安定化するだけでも発生するのかが議論となっている。チンパンジーは人間に最も近い種の一つ。今回の観察は、文化の違いがない条件でも内戦に至る可能性を示した。成果は米科学誌サイエンスに掲載された。
調査は1995年、ウガンダのキバレ国立公園で始まった。群れが100匹余りから次第に大きくなっていく中でも、共に食事や毛繕いをし、縄張りを守り、他の群れを襲っていた。
分断の兆候は2015年に表れた。多数派集団「中部」が少数派の「西部」のメンバーを追い回し、互いを長期間避ける様子が見られた。その後2集団はそれぞれパトロールを開始。17年には西部が中部のボス格の雄に重傷を負わせた。この雄はかつて西部の一員だった。
集団間の交流は18年に消滅。西部は24年にかけ、中部の子ども17匹など多数の個体を殺害した。犠牲は通常の群れ同士の争いよりずっと多い。
背景には、200匹ほどまで膨らんでいく群れの中で食料、繁殖機会の獲得競争が激化したことに加え、社会関係の動揺があったとみられる。
分断に先立つ14年に6匹の大人が死に、翌年にはボスが交代。集団間の緊張が高まる17年に呼吸器病の流行で25匹が死んだ。この中には西部と中部をつなぐ数少ない大人のうち1匹が含まれていた。」
とありました。記事はチンパンジーの研究ですが、人間の本能的側面も示唆していると思います。
「人間に見られる集団暴力は民族や宗教といった文化の違いに根ざしているのか、人間関係が不安定化するだけでも発生するのかが議論となっているが、今回の観察は、文化の違いがない条件でも内戦に至る可能性を示した。」
この部分が最も重要な指摘だと思いますが、これは「人間も本能に任せると集団暴力に走る可能性が高い」という残酷な道理を示しているわけです。現在の戦時下もこの影響が一部ありそうです。
今回の研究の「背景には、200匹ほどまで膨らんでいく群れの中で食料、繁殖機会の獲得競争が激化したことに加え、社会関係の動揺があったとみられる」という分析にも示唆がありそうです。
日本でも私の推測では「経済格差の拡大」と「社会保障の質の低下」が進むと、暴力的な本能が支配的になり、「人々の分断」と内戦までいかなくても「治安の悪化」が顕在化すると思ってます。
結局、人間は格差があっても「劣等感」が「激しい憎悪」まで発展しないと暴力には至らないと思ます。また自己責任を超えた不幸があっても国が社会保障で支えれば「連帯感」は確保されます。
そして、格差拡大と社会保障の質低下の抑制の鍵を握るのは「物価の安定」と「社会保障財源の確保」だと思ってます。要は「金利」と「消費税」です。「日銀」と「政治」が大事なわけです。
最近、インフレに加速感が出始め、日銀が後手に回っている感があります。また、消費減税など政治のポピュリズムが進んでます。インフレと円安を抑制し、消費税など財源の確保が必要です。
私は平和な東京でFIRE生活を満喫したいので、今回のチンパンジーの研究が示唆するような暴力が支配する社会に日本が陥らないこと願ってます。いつまでも平和で美しい東京でありますように。
