固定資産税とインフレ

お金の増やし方

東京都の場合、毎年6月上旬に「固定資産税」の通知が来ます。私の持ち家(都心マンション)もここ数年じわじわと税額が上がっており、土地の価格上昇のせいかな程度に考えてました。

今年はFIREしたこともあって、納税通知書をじっくり眺めてみました。すると「土地」分は確かに上がっているのですが、「家屋」分がここ数年ずっと横ばいであることが判明しました。

どういうことだろう「家屋」分は経年減価するのではなかったっけ?と思って調べてみると、日本の固定資産税の家屋評価は『「再建築価格」×「経年減価率」』という方式だそうです。

要は、今の家屋を現在建て直した場合の価格(「再建築価格」)と「経年減価率」(鉄筋コンクリートの場合60年かけて0.2まで下がっていく)の組み合わせで評価するわけです。

つまり、「再建築価格」(要は建設費)が、「経年減価率」を上回るペースで上った場合、「家屋」の評価額は下がるどころか、むしろ上がるというわけです。

でもなぜここ数年横ばい?と思って更に調べてみると「家屋」の固定資産税評価額は「再建築価格」×「経年減価率」か「前年度評価額」の低い方を採用するというルールがあるためとのこと。

つまり我が家(現在の固定資産税の内訳は「土地」約20%「家屋」約80%)の場合、「前年度評価額」の低さに助けられて「家屋」分の固定資産税評価額は横ばいになっていて、「思うように下がらない」というよりは「大きく上がらずに済んでいる」というのが実態のようです。

固定資産税の評価額は3年に一度見直すルールなので、最新評価額との乖離はどの程度なのだろうと思い「都の税務署」に電話してみました。

担当者の人は「電話では説明できないので事務所まで来てほしい」ということで、税務署まで出向くと、我が家の最新の家屋の評価額は「約7%」上振れているということが分かりました。

転機は2015年あたりで、そこからは「再建築価格」が3年で5〜7%程度上がっているの対し、「経年減価率」は3年で3%程度しか下がらない為、乖離が広がり続けている構造でした。

昨今の「建設費インフレ」を考えると、当面は「再建築価格」が下がる展開は考えにくいので、むしろ現在の「家屋」の評価額は、実は既得権益的な「お宝価格」なのかもしれません。

こんなところにもインフレの影響が・・・と思った「固定資産税」に関するお話でした。

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