「ギャンブル脳」(帚木蓬生著・新潮社)という本を読みました。ギャンブル症の専門精神科医による警鐘本で、日本政府や業界のギャンブル対応への批判を延々と繰り返すのにはくどさを感じましたが、ギャンブル症の実態についてはよく理解できる本でした。特に、
「ギャンブル症患者の特徴は『自分だけ』『今だけ』『金だけ』で、親兄弟や家族の存在さえ消えて『自分だけ良ければそれでいいのだ』という考えになり、刹那的に『今さえ良ければそれでよい』と考え、道徳や社会規範も消え『金の亡者』となり、脳の中は『その金でギャンブルがしたい』という欲望と『ギャンブルで生じた借金をどうにかしたい』ということだけになります。
私(著者)は、ギャンブル症患者には、『あなたたちはミミズ以下だ』と言い続けてきました。ミミズでさえ土に毒が含まれるとそこから避難するのに、ギャンブル症患者は何度も毒に立ち戻るからです。」
という記述には、「ぞっ」としました・・・
最近の「大リーグ通訳」や「銀行貸金庫」の事件でも、ギャンブルが背景にありましたが(貸金庫の方はもっと知的で色っぽい事件かと思ってましたが、どうやら単なる女ギャンブル中毒事件のようですね)、あれも「自分だけ」「今だけ」「金だけ」のなれの果てなんでしょうね・・・


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