トラス・ショックの教訓

お金の使い方

日経新聞朝刊2026年1月22日に、

「トラス政権は発足2週間半後、財源の裏打ちがない年450億ポンド(当時で約7.2兆円)規模の大型減税を含めた経済対策を発表した。これが財政不安を招き、市場は株・通貨・債券の急激なトリプル安に陥るなど大混乱に見舞われた。
 特に英10年債の金利は減税発表前日の3.49%から5日間で4.50%まで1%以上も上昇。英ポンドも1ポンド=1.03ドル台と、米ドルとパリティ(等価)寸前の過去最安値まで急落した。トラス政権は大半の経済対策の撤回を強いられ、在任49日で退陣した。
 覚えておくべき事実は、市場の急反応は議会で具体策が正式発表されてからだったという点だ。
 年7~9月の与党・保守党の党首選の間からトラス氏は減税を訴えていた。党首選の間も10年債金利は2%台前半から1%近く上昇した。英ポンドは1ポンド=1.2ドルの水準から4%ほどポンド安が進んだ。だがこれは本当の危機ではなく「警鐘」に過ぎなかった。
 現状の日本の金融市場は危機的とまでいえるかは微妙だ。ただ正式に減税が決まる前の現段階で「日本は大丈夫」と判断するのは早計といえる。
 各党は消費税減税を「物価高に苦しむ人々への支援」と位置づける。もし減税が円や国債の急落を招けば、その痛みはさらなるインフレや住宅ローン金利の上昇を通じて、物価高に苦しむ人々に戻る。これもまた英国の教訓といえる。」

とありました。

すでに日本でも足元の国債の下落(国債金利の上昇)が顕著になってきてますが、トラス・ショックの教訓を踏まえると、まだ「危機の始まり」に過ぎない可能性もありそうです。

食料品消費税ゼロにより「5兆円」規模の安定財源が無くなれば、日本の財政への信任を維持するのは難しくなります。もし一度税率を下げてしまえば、再び上げるのは政治的に至難でしょう。

仮に高インフレになろうが金利が上がろうが、対応できる富裕層や投資家は問題ないですが、結局経済的弱者に多くのしわ寄せがいくことを、国民は投票前にそれぞれ考えておくべきでしょうね。