インターネットとタクシーと街歩き

お金の使い方

日経新聞朝刊2026年1月4日に作家の沢木耕太郎氏が、

「クアラルンプールに滞在してしばらくすると、私が泊まっていた安宿のまわりに不思議な光景を見出すことになった。
 多くの客が宿の前の通りでスマートフォン片手に何かを待っている。すると、四、五分もしないうちに、ごく普通の自家用車がやって来て、そこに乗り込んでいく。
 いったい何なのか。ある人に訊ねてみると、それはいま東南アジアを席巻している「グラブ」だと教えてくれた。
 グラブという配車アプリを入れ、目的地を入力するだけで、近くにいる何台かの登録車があと何分で到着し、いくらで行くか返事をしてくれる。しかも、車種やドライバーの情報も一緒に届くので、その中から状況に応じて最適の一台を選べばいいのだという。
 そこで、私もアプリを入れ、恐る恐る使ってみると、これがとんでもなく便利なものだった。
 日本でもタクシーの配車アプリは存在するが、東京で呼ぶためには、まずかなりの迎車料金を払わなくてはならない。だが、グラブでは、そのような料金が基本的に不要なだけでなく、運賃そのものがとてつもなく安く設定されているのだ。
 しかし、なんと素晴らしいものかと喜んで用いているうちに、確かに移動は便利になったが、町歩きの楽しさが半減してしまったのではないかと思うようになってきた。
 目的地まで、汗ひとつかかず、この道でいいのだろうかなどと思い迷うこともなく、すっと着いてしまう。
 だが、旅の面白さは、少なくとも町歩きの面白さは、単に目的地に早く着くだけでなく、汗をかいたり、道に迷ったり、とんでもないところに出てしまったりといった過程の中にもあるものなのだ。そうしたことによって、道を教えてくれる土地の人と触れ合ったり、思いもかけない土地や建物に遭遇したりする。」

と書いてました。

私自身は、東京での「街歩き」の時にタクシーでの移動には全く興味ないのですが、東南アジアでは東京の比にならないレベルでタクシー(グラブ)が安価かつ便利で浸透しているのですね。

ただ、私もいつまでも「1日40000歩歩いても疲れない」体力を維持できるとは思えません。なので、2050年(75歳頃)以降は東京でも「自動運転タクシー」が普及していては欲しいですね。

その際は、今は歩いて出かけている千代田区や港区の街、例えば自宅から「神保町」なんかにはタクシーで近くまで行って「神保町周辺だけをじっくり歩く」みたいなスタイルが理想です。

その時代では、誰かが「AIによる自動運転」という人件費レスによる価格破壊を起こし「東京メトロ(現在価格で片道200円)並」のコスト(タクシー運賃)をぜひ実現してほしいですね。