日経電子版2024年6月12日の記事で「東京のホテル単価が3万3344円と調査を始めた1996年以来最高だった」との報道がありました。
インバウンド需要の増加が背景にあると思いますが、今の平均単価は3万3000円超という価格帯なんですね・・・一般的な日本人が普通に泊まれる価格帯から離れすぎたように感じます。
最近でも、八重洲ミッドタウンに「ブルガリホテル」が入り、一泊最低25万円からという価格が話題になりました。一泊最低25万円・・・、八重洲は下町だと思いますが、地元住民のホテル活用としては初めから想定してないんでしょうね。
ミッドタウンは三井不動産が開発主体ですが、系列である帝国ホテルの「別館」みたいなコンセプトを導入して、日本人の大衆がハレの日にぎりぎり手を出せる価格帯で宿泊もレストランも運営してほしかったな、と個人的には思ってます。
更に近所の日本橋再開発で2026年に「ウォルドーフ・アストリア」、常盤橋再開発のトーチタワーで2028年に「ドーチェスター・コレクション」というラグジュアリーホテルが開業予定になってます。
どちらも東京下町の大衆文化から離れ過ぎた価格帯になり、「いくらお金を使っても使い切れない資産を保有する海外超富裕層」を相手にしたスノッブなビジネスの現場になりそうです。
繰り返しになりますが、都心のホテルでは、日本人の大衆がハレの日になんとか出せる価格帯で、レストランでの食事や宿泊が実現できる方が、文化的に豊かだと思うんですよね・・・
実際、昔の「パークハイアット」や「ウェスティン」や「フォーシーズンズ椿山荘」はそういうホテルでしたし、当時20代の私もパークハイアットのニューヨークグリル等で、頑張ってデートした思い出が残ってます。なんとか当時メーカ勤務の20代にもぎりぎり払える価格帯でした。
「デート」だけでなく、特別な日の「家族との食事」、「結納」や「結婚式」、親の「退職記念パーティ」などのハレの日の舞台は、都心のホテルであることが多かったです。
どれも記憶に残っており、大事な思い出となってます。価格帯はハレの日の支出としてなんとか出せる範囲になっていたように思います。
大衆文化ってそうやって育っていくと思うんですよね。一泊最低25万円では今の一般的な日本人の20代には払えないんじゃないのな・・・
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