週刊東洋経済2026年3月28日に文学評論家の頭木弘樹氏が、
「『続日本紀』に711年に『蓄銭叙位令』という法令が施行されたと記録されている。この法令は要するに「お金で地位を買えるようにする」ということだ。これは大変に画期的なことだった。
これにより国民に「お金があれば社会的地位を高められる」「お金があれば権力が得られる」という発想を植えつけた。当時は生まれによって身分は決まり、継承され、身分制度は動かしがたいものだった。それがお金さえあれば動かせるのだ。
「お金と権力を結びつけた」という点で、これはものすごい発想だった。そういう発想はそれまでになかったし、そうすればみんながお金に執着するだろうと読んだものもすごい。天才的というか、悪魔的な思いつきだ。これによりそれまで現物重視だった人々がお金を貯め始めた。同時に政府に献金して便宜をはかってもらうということも始まった。
権力を手にしたいというのは人間の根源的欲求なのだろう。お金が多ければ多いほど権力の大きさが反映されるので、人々はお金をできるだけ多く欲しがる。
ただ全員がそうというわけでもない。心理学者は人間の社会参加の動機は「権力動機」と「達成動機」と「親和動機」に分かれると指摘する。
例えば蕎麦屋を始めようとすると、ラーメンも出した方が儲かるならそうする人が「権力動機」、蕎麦でなければ意味がないという人が「達成動機」、仲良く店をやれればそれで良いという人が「親和動機」ということだ。すべての人がお金で動くと思いがちだが、そうでもないわけだ。」
と書いてました。「権力」と「お金」を結びつけた時から人々のお金への執着心が生まれたというのは面白い歴史ですね。それまでは物々交換が出来る現物重視だったとこと。
確かにFIRE民でも十分にお金があるのに「もっともっと」という「権力動機」の人が結構いますが、でもどんな「権力」がほしいのだろうか?『他人よりカネを持っている』という社会的地位?
個人的には「達成動機」と「親和動機」が両立する世界に関心ありですが、少数派なのかも・・・
