日経新聞朝刊2025年10月15日に東京大学教授・板橋拓己氏が、
「ポピュリズムの勢いが増している要因としては、グローバル化の進展が大きい。1990年代、地球規模でヒト、カネ、モノが自由に動き、貧しい人々に豊かになる機会、様々な恩恵を提供した。その一方で、経済格差を広げる面もあった。先進国でも取り残された人々が増え、中間層がやせ細って社会に亀裂が生じた。
この断層が生む不安をあおってポピュリズムが増殖する。経済的に自分より得している人々がいるとの『剥奪感』が募った。文化面では移民が増えたことで伝統的な社会や暮らしが壊されるのではという恐怖が広がる。この2つが主な『養分』だ。
見落としてはいけないのがSNSなどソーシャルメディアの影響の大きさ。ネット空間で過激な意見などを拡散し、人々の不安、恐怖を増幅してポピュリズムに養分を供給している。自分の興味ある情報、心地よい意見だけに接する『エコーチェンバー(反響室)』現象や、検索エンジンなどがアルゴリズムによって特定の情報ばかりを表示する『フィルターバブル』が起きている。この点にみんながもっと注意すべきだ。」
とコメントしてました。なるほど「剥奪感」と「恐怖」がポピュリズムの主な養分なんですね。
板橋氏も指摘している「SNS」や「ショート動画」の影響の大きさは結構深刻だと思います。陰謀論にからめとられた人はほぼ脱出は不可能という研究もあるので、その回避はとても大事です。
私自身は「Facebook」「Instgram」「TikTok」はやっておらず「YouTube」もほぼ見ないので、「X」が唯一のSNSですが「filter:follows」検索+「新着順」表示でだいぶスッキリしました。
それでも、たまにフォローしている人が偏ったポストをしていると「なんだかなぁ」と思うこともありますが、まぁそれくらいは「色々な意見があるなぁ・・・」くらいに捉えています。

