日経新聞朝刊2025年8月20日に米ピーターソン国際経済研究所長 アダム・ポーゼン氏が、
「日本の財政を非常に懸念している。30年間、日本の財政を見てきた。これまで日本の政治は真の問題があれば行動を起こした。消費税の引き上げを決め、高齢者向けの支出を効率化するなど常に信頼できるものだった。日本の租税負担は比較的軽いため、増税の余地があるとも信じられていた。
新たに連立政権が誕生した場合、即時の拡張財政や減税を求める勢力が含まれれば悪いシグナルだ。過去30~40年のようには政府を信頼できなくなる。特に永続的に消費税を減税した場合、市場や投資家は非常に悪い印象を持つ。(債務残高などの)数字はこの5年で恐ろしい状況になっており、わずかな税収減や金利上昇が財政に大きな影響を生む。
経済規模が大きい民主主義国家がデフォルト(債務不履行)に陥ることは原則的にはないだろう。しかし、そうした国の財政危機は(2022年の英国のような)金利の急上昇や為替相場の急落によって生じ、経済に大きな影響を及ぼす。政治の統治能力の弱体化に伴う無責任な財政政策は危機のトリガーになる。
物価高が本当に勤労世帯にとっての懸念事項ならば、食料やエネルギーにかかる減税はあってもいい。だがそれを補うために他の分野からの財源の確保が必要だ。不動産や資本への増税、高齢者の負担増や年金の削減といった措置をとるべきだ。」
とコメントしてました。
記事では「これまで財務省をはじめとする財政再建論者は危機をあおる「オオカミ少年」だとの見方もあった」とのことですが、30年日本の財政を見たポーゼン氏のコメントには重みを感じます。
私も「財政規律を維持し、強い円を取り戻すことが、日本国民全体の利益になる」という考えなので「財政再建論者」側なのですが、選挙結果を見ると、私は少数派に属するようです。
ここ数年「海外旅行」がかなり贅沢な行為になってしまいました。私が大学生の時は1$=70円台という円高で、当時の大学生のアルバイト収入でも「欧州2ヶ月一人旅」などができました。
新卒就職も「強い円」を維持することに貢献したいという考えもあり「製造業」を選びました。しかし、サラリーマン生活を振り返ると、実際は厳しい国際競争で苦戦続きでしたが・・・
今、日本国民が苦しんでいる「物価高」も「円安」が一番大きな背景だと思ってます。今後「日本円の価値」を維持し続けるには、「適度な利上げ」と「財政再建」が最も王道だと思います。
インフレ初期は税収も増え、財政規律を取り戻す良いチャンスだと思います。しかし、実際の選挙結果での民意が「とにかく短期的な減税」というのが、なんとも残念です・・・
ただ、ポーゼン氏が指摘する「日本政府への信頼」が崩れてしまえば、市場から厳しい審判が下ります。その結果の急激な金利上昇やハイパーインフレは悲惨な国民生活を招くと思いますね・・・

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