週刊新潮2025年8月7日に医師の和田秀樹氏が、
「私は大勢の高齢者を診てきましたが、がんの手術後に術前より元気になった人は一人もいません。術前と変わらない人もほとんどいません。高齢者の場合、がんを切ったり、抗がん剤治療をしたりしたあと、患者さんは例外なく元気を失います。
世間が大きく誤解していることがあります。がんは痛い、苦しい、体がボロボロになる、と思われてますが、じつは手遅れになるまで無症状で、気づかずに元気でいることが多い病気。
骨転移して神経にぶつかるなど、運が悪いこともありますが、そういう例を除けば、痛くもかゆくもないことが多いのです。下手に治療するくらいなら、がんとの共存も選択肢なのでは。
がんが見つかったら、寿命がある程度わかります。そこでどのくらいお金があるから、どのくらい楽しめるという計算をし、お金を使いきるつもりでいろんな旅行に行ったり、美味しいものを食べたりするのは悪くない選択肢だと思います。」
と書いてました。以前(記事はこちら)もベテランの看護師が「がんによる理想の看取り」に言及してましたが、意外とがんは「理想の死」に近いのかもしれませんね。
私も75歳までは「自分のために自由に生きたい」(林住期)と思ってますが、75歳以降は「理想の死に向けた旅立ちの期間」(遊行期)にできればいいな、とも思ってます。
理想としては、75歳以降に自覚症状が出て医療機関にアクセスすると、寿命はあと1〜2年の末期がんという展開で、緩和ケアだけして「Die with ZERO」を実行する、という感じでしょうか。
これまで色々な要素を考えると「Die with ZERO」は難しいと思ってましたが、寿命がある程度正確に予測できる「がん」なら実現できるのかもしれませんね。

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