「不完全主義」(オリバー・バークマン著・かんき出版)という本を読みました。
「限りある時間の使い方」(記事はこちら)という、私が読んだ最近の本の中では一番「時間の使い方」の参考になった本の続編なのですが、大きなアップデートはない印象でした。
「すべてをこなそうという勝ち目のない戦いをやめたとき、限りある時間と注意力を本当に大事な目的に注ぐことが可能になる。仕事や家庭に完璧を求めなくなったとき、ようやく全力でその場に没頭できる。すべてを確実にコントロールできなければ落ち着きも自信も得られないという誤った前提を捨てたとき、ふいに落ちついた心で今この瞬間を生きられるようになる。そして今この瞬間こそ、僕らに与えられた唯一の時間なのだ。」
という一節に、この本の主張がほぼ集約されていると思います。
あと参考になったのは「いわゆる知的労働者(パソコンや言葉やアイデアを使って仕事をする人)にとって、1日3〜4時間の仕事がちょうどいいというのが、歴史上の人物の経験からも概ね普遍的なルールだ。集中力を要する仕事を3〜4時間に絞ると、仕事がもっともよく進む。」との言及。
私もFIREした今は「Read&Write」(様々な書物を読んだりブログを書く時間)を4時間程度に絞っているのですが、そのあたりで限界というか飽和感を感じて、ジョギングに行きます。
サラリーマン時代も3〜4時間集中して働いたらその日は終わり、だと良かったんですけどね・・・
また、前著もそうだったのですが、私はこの著者の思想に「禅」の影響を感じてました。禅にも「而今(じこん)」(過去や未来に囚われず、今を精一杯生きる)という言葉があります。今回最後に著者が「禅から強い影響を受けた」と書いているのを見つけ、やっと腑に落ちました。
私も現在のライフワークが「道元(鎌倉時代の禅僧)の研究」で、様々な関連書物を時間を見つけては読んでいるのですが、それらには「時間の使い方」に関する深い洞察も多数あります。
道元は「わからないことがわかるということが悟り」と結論づけてますが、その結論に行きつけつけるかは別として、私もこの本の著者と同様に自分の旅を続けようと思います。


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