FIREすると「ハイパーインフレ」や「極度の円安」をリスクとして認識します。どちらも広く分散した株式等を保有することで一定の資産防衛は可能ですが、問題は「お金の使い方」の方です。
私はFIREを実行した50歳から75歳までの25年間に「年率+2〜4%」(記事はこちら)の右肩上がりの支出増を計画・実行することで「インフレ対応」と「効用の継続的拡大」を目指してます。
ただ、最近の食料インフレなどを経験すると、果たしてこの想定範囲で本当に問題ないのだろうか?と疑問に思ったりします。そんな時に思い出すのが「ノルム(社会的規範)」という言葉です。
「ノルムとは「予想」より強い概念で、社会的な習慣や規範意識を意味する。米国の経済学者アーサー・オーカンが提唱した。長年の経験に基づき、人々の間には物価や賃金の上昇率について世間相場のような、皆が当たり前のように考える水準が形成され、それが実現していく。」(日経記事)
この「ノルム」は前日銀総裁が異次元緩和を実行しても物価が上がらなかった原因と言及したことでも有名になりました。
経済学的には「ノルム」はかなり重要で、一度形成された「世間相場感」は粘着性があってなかなか動かないことを、世間をじっくり観察しているとよく実感できます。
一方、一部マスコミや扇動的な評論家等は、少し物価が上がったり円安になると「ハイパーインフレ」や「極度の円安」を騒ぎ立て、心配性が多い日本人の不安を刺激しようとします。
そういう時は「ノルム」のことを思い出して、心を鎮めた方が良さそうです。いま日本は「物価+2%、賃金+3%」の新しいノルムを目指している雰囲気ですが、特に賃金の方(特に40代50代事務職)は今までのノルムが強すぎて難航しそうな気配もあります。
そうなると物価の方も食料が落ち着けば+2%未満に収束する可能性もあるのかもしれません。私の支出年率+2〜4%の想定は、まだ今後のインフレに対して余裕があり、効用の継続的拡大の実現性も高いという判断で良いのかな、と現時点では思ってます。

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