「幸せな死のために一刻もあなたにお伝えしたいこと」という外科医・中山祐次郎氏の本で、
「人間の心理には階層があって、深いところの心理はふだん表に出ることがありません。
自分という人間の根本にある一番大事な気持ちがなんなのか、自分にはわからないのです。
そういう気持ちが存在することにすら気づかない人がほとんどです。
それが、ふとしたことがきっかけで、マグマが噴出するように表に出てくることがあります。
どんなときでしょうか?それは、自分のいのちが本当に危険にさらされたときです。
そのきっかけを「限界状況」と名付けた人がいます。ドイツの哲学者カール・ヤスパースです。
ヤスパースは、人は「自己の死」や「原罪」などに突き当たることによって、「実存に目覚める」のだと言ってます。
「実存に目覚める」とは、「自分のこころの底から本音を聞いて自覚する」ということです。
つまり、人間は自分の生命が脅かされるほどの「限界状況」におかれたとき初めて、自分の本音を知るのです。」
と書いてました。外科医として多くの末期がん患者と向き合った結果の実感だそうです。
私もFIREを検討する段階で、だいぶ自分の本音を掘り下げました。その時、参考になったことの一つに末期がん患者の聞き取り調査で「もっと仕事をすればよかった」という人は皆無だったという話でした。
実際に死ぬ間際でなくても、とことん自分と向き合い、考え抜くことである程度「限界状況」は作り出せるのかもしれません。私もFIRE前にある程度自分の本音を把握したとは思ってます。
そして実際にFIREしてみると、自分の心が本当に喜んでいるのを感じて、その決断は自分にとっては間違いではなかったのだなと実感することになりました。
まぁ、FIRE後には、自分の心の声がさらによく聞こえるようになって、自分が思ってた以上に自由を愛しわがままな部分があることを知ることになるのですが・・・(苦笑)


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