週刊新潮2025年4月25日号に脳科学者の池谷裕二氏が、
「ハーバード大学の最近の研究で、脳の深部『内側視索前核』に社会的欲求を司る脳回路が存在することが発見されました。この脳回路は、単に仲間と共にいたいという欲求を引き起こすだけでなく、逆に仲間への関心を失わせる働きも担っています。
要は『孤独を感じると人恋しくなり、過剰な交流をすると一人になりたくなる』という両極の作用をコントロールしているわけです。
睡眠欲や食欲も同じで、不足すればするほど欲求は高まり、満たされると弱まります。一方で、金銭欲や勝利欲、自己顕示欲といった欲には『足るを知る』という抑制があまり見られません。
この研究からは、社会的欲求は血圧や体温など自動的に調整が働く生理システムと同様の根源的な生命制御の一つと捉えることができます。
ちなみにネズミの実験では、他のネズミとの物理的接触だけでなく柔らかな布に触れるだけでも欲求が充足される傾向があることも観察されており、新発見された脳回路はかなり原始的なレベルのものの可能性もあるようです。」
というような内容を書いてました。「孤独を感じると人恋しくなり、過剰な交流をすると一人になりたくなる」というのは確かに実感しますが、今回発見された脳回路によるものなのですね。
FIREするにあたって、この「孤独」は懸念材料でありました。サラリーマンでなくなることで、平日日中の他者とのコミュニケーション頻度やレベルは低下するのだろうと予測し、そのことで「孤独感」が高まる可能性があると考えていたこともありました。
ただ、実際にFIREしてみると「孤独」だと感じることはほぼ皆無です。平日午前中は街歩きで外出して、午後は自宅に一人で滞在、夕方は屋外ジョギングというのが平日のパターンなのですが、午後自宅に戻ると「ほっ」とするレベルで一人で過ごす時間がとても心地良いくらいです。
平日午前中に街歩きする場所は「東京都心」なので人がかなり多いことが、私にとっては「過剰な交流」になっているかもしれません。おそらくずっと1日中1人で家にいるという生活でもしないかぎり「孤独」を強く感じることはなさそうです。会話欲も、家族やよく行く飲食店のスタッフ、オフ会等で十分に満たされてるのが現状です。
住んでる場所や家族構成によるのかもしれませんが、もし都会で毎日日中は外出するような生活を想定されているなら、FIREしても「孤独」は殆ど感じないのでは、というのが私の意見です。

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