日経新聞で「老いた両親が倹約家すぎる」という読者の悩みに対して作家の石田衣良氏が、
「40代と定年後ではお金に対する見方がまったくといっていいほど異なります。
40代は社会の主力で、働き盛りの年代です。多くの場合、収入はさらに上昇していく可能性が見込めます。欲しいものはたくさんあるし、あれこれと試してみたい経験も数え切れない体力と経済力のバランスがとれた人生の最盛期なのです。
定年後は違います。かなりの額の年金といっても、その収入がさらに増えることはありません。様々な欲望も40代の頃より収まっているので、欲しいものも少なくなり、新奇の経験にもそれほど重きを置かなくなります。大きく広げてきた人生の風呂敷をたたみ始める年代なのです。
度を越した吝嗇は問題ですが、定年後の世代がそれなりに倹約することは普通のことです。手元のものをうまく使い回しながら、シンプルに暮らすのはなかなか楽しいものです。様々な倹約のアイデアをゲームのように実行している人も少なくありません。
お金は好きなように使う楽しみも、使わない楽しみもあるのです。」
と回答してました。
私は50歳から75歳までは「お金の使い方」にフォーカスした人生を想定してます。一方、相談者は40代・男性ということですので、ご両親は70代以降の可能性が高いと思ます。
確かに70代以降はお金を使う力も衰えるでしょうし、石田衣良氏が指摘する「お金を使わない楽しみ」を実感する局面が増えるのかもしれません。
逆に言えば、そういった「お金を使わない方が楽しい」という局面が来るまではしっかり「お金を使うこと」を楽しんでおきたいですね。

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